軽貨物運送業の場合、ほとんどの方がどこかの団体に所属して運営しているケースが多く、 全くの個人で運営されるケースは少ないと思います。 そこで、いろいろな団体のシステムを種類別にご説明しますので、団体選びの参考としてご覧になってください。
業務提供種類
運送の利益を中心としていますから、研修をしっかり行い適正を判断して業務を委託します。
ただし、自営業であっても管理されるので、半社員的な要素も含まれた体系になっています。
【アドバイス】
細かいサポートを受けながら運送会社のイロハをしっかり身につけ地固めができて、
さらに将来、企業として運営することを目標に始めるにも理にかなっていると思います。
【注意点】
ロイヤリティ○○%という団体もありますが、実際荷主様との契約内容について実際は見ることができないため不正確です。
業務を受託する際に重要な事はこの仕事で実際の手取り金額がいくらになるかということです。
団体が仲人として取引先を直接紹介されるので、紹介先からの売上がすべて自分の口座に入ります。
ただし、個人取引が可能な荷主様のみなので、不慮の事故、休み等緊急対応にあたって荷主様にも協力が必要です。
【アドバイス】
不動産情報と同じく情報紹介による派遣なので、現場の問題点は現場の者にしかわからない為、詳細は紹介先との直接交渉になり、実際2、3日動いてみてからすぐに“別の仕事に変更して”とはいきませんよ。
【注意点】
個人との取引が可能な会社のみなので、実際は法人取引できる運送会社方式の会社(上記)や、現場作業が主で、仕事の道具や部品を乗せるために車両を使うといった業務等、確かにその会社とは直接取引ですが、結局、運送業で無い業務(営業ナンバー不要業務)やその先にも取引先があり実際はそこでも手数料が引かれてしまうケースがあります。
団体の商標、知名度を利用して自己営業をして仕事を獲得するので、事業を拡大させる可能性があります。 また業務紹介方式と同じく、売上は獲得先よりすべて自分の口座に入ります。 ただし、交渉や営業を苦手としている方には不向きな場合もあります。
【アドバイス】
失敗を恐れず、己の道を進んでいく力強い志の方にはふさわしいですが、運送の素人では交渉も通じないので、運送業界に精通している事は重要です。
荷主様の依頼に“それは何ですか?”では通じないですよね。
【注意点】
荷主様との交渉は全て自分で行うので、条件的には他方式に比べ自分の納得において業務が受けられる分、あなた自身が商売の顔になるので、態度や失敗で“明日からもう来なくていいよ”なんて事もあります。
開業システム
指定された車両(架装、カラーリング)をした車を購入して開業する事を義務づけることで、統一性を図り団体のイメージから宣伝効果を上げる目的があります。
【アドバイス】
“高い道具を買えば運賃も上がる”というわけではありません。
運賃の相場はありますから、費用負担を最小限に抑えて開業した方が運営も楽になりますよね。
販売利益が中心の団体もあるので、ドライバー仲間に“こんなに高い車を買ったんだよ”なんて言っても1つも自慢にはなりませんよ。
いろいろな営業経費、教育研修など経費がかかる為、加盟金や開業費用の名目で徴収されることが多く、団体運営費もかかる事から、特に運送収益の無い会社はこの形態が多いようです。
【アドバイス】
未経験の方が多いので、どれだけ団体、担当者が親身になって手伝ってもらえるかが重要になります。あまりに費用が高いにもかかわらず“仕事・研修・サポート”これらがしっかりしていないで、さらに契約したら“後は知らないよ”なんて事になったら困ったものですよね。
運送業を開始し、貴重品の配送業務や代金引換業務等の現金を扱う仕事等をするに当たっ て、荷主様と取引契約における信用担保として保証金を預かります。 いわば賃貸住宅の敷金と同じで、ルールを守る為のもので運送利益を目的とした団体に この形態が多いようです。
【アドバイス】
保証金の返却については、各団体により異なりますので、全額が戻るとは限りません。
また、開業者の不適切な対応による脱退については、全額戻らないケースもあります。
軽貨物運送業は全国どこに行ってもあり、気軽に始めやすいお仕事です。
社員採用に挫折してあきらめていた人や、資金が少なくて自営業もあきらめていた人、そんな人にもチャンスがあり、新たな人生をつかみとる事も可能です。
しかし、誰でも楽してボロ儲けができるなんて仕事は世の中にありません。
やはり、軽貨物運送業でも努力や人柄によって結果は変わってきます。
上記に上げた業務提供方法や開業システムは一例で、団体によって組み合わせは様々です。
これを参考によく検討した上で決めていただき、お仕事がうまくいけば幸いです。